12月6日、アメリカは2022年開催の北京オリンピックを外交ボイコットすることを発表しましたね。
幸い、オリンピック不参加となるのは政府関係者のみで、選手は参加できるということです。
そして、12月8日にはオーストラリアも外交ボイコットを決定しました。
選手についてはアメリカ同様に参加できるとのことです。
現時点でボイコットを表明している国は以上の二カ国だけですが、国がこういった対応をしてくると選手としてもやりづらい状況といえますね..
そこで今回は、
・外交的ボイコットによる影響はどうなるのか?
・日本が外交的ボイコットを決定した場合、選手はどうなるのか?
・過去に起きたオリンピックボイコットは?
といったことについてご紹介していきます。
外交的ボイコットがオリンピックにもたらす影響は?
アメリカ・オーストラリアの2ヶ国は、中国によるウイグル人への人権侵害などを理由に、政治的にボイコットしています。
もともとオリンピックとは【平和の祭典】であり、主宰の国際オリンピック委員会もオリンピック開催の意義を「世界平和の実現・人権の尊重・差別の撲滅」だとしています。
そもそもの意義に反する中国に対して反抗的になる国が出てくるのも当然でしょう。
権威失墜
開催国への政治的不参加は、その開催国からすると侮辱行為に相当するもので、権威も損なわれてしまいます。
近い将来、他国(パリやロサンゼルス)で開催されるオリンピックにも悪影響をもたらす可能性は大きいです。
北京オリンピックでアメリカがボイコットをするとなれば、2028年に開催されるロサンゼルスオリンピックに中国が快く参加する理由がありません。
こうなってくると、両国の対立関係が一層浮き彫りとなり、関係はますます悪化していくことでしょう。
選手への影響
今のところ、ボイコットを表明したアメリカ・オーストラリアは選手派遣については了承しています。
では今後、アメリカに続いて日本がボイコットした場合、どうなっていくのでしょうか。
アメリカが完全ボイコット(選手の派遣もしない)に踏み切っていないので、日本でもおそらく政治的なボイコットに留まることが予想されます。
しかし最悪の場合、選手派遣も禁止されてしまいます。
この場合、選手には次にようなデメリットが考えられます。
ブランク
次の北京オリンピックに出場しなかった場合、オリンピック代表選手は4年後のパリオリンピックまで大会の出場は叶いません。
こうなると、選手には選手生命というものがあるので、比較的高齢の選手にとってこの4年という年月はどうしても無視できない長さになってきます。
北京オリンピックに出場していたら獲得できていたかもしれないメダルを、ボイコットによって逃すことになる、という事態も考えられます。
また、オリンピックに向けて日々練習に励んできた選手からすると、ボイコットというのが精神的に大きなダメージをもたらすことは想像に難くないですね。
やはりこう考えると、完全ボイコットというのは選手にとってはどうあっても避けたい事象といえますね。
オリンピックで過去に起きたボイコット
オリンピックにおけるボイコット問題はなにも今に始まったものではありません。
過去に開催されたモスクワオリンピック・ロサンゼルスオリンピックでは、「ボイコット合戦」と呼ばれるほどにまでその動きは拡散していました。
モスクワオリンピックではおよそ50ヶ国がボイコットしましたが、その中には日本も名を連ねていました。
しかもこの時、日本は完全ボイコットに踏み切っており、選手派遣も禁止されてしまいました。
後に開催されたロサンゼルスオリンピックでも日本はボイコットしましたが、この時は外交的ボイコットに留まり、選手の派遣は決行されました。
ボイコット問題の背景には、他国への侵略行為や人権侵害など、まさに「平和」とは言い難い出来事がありました。
こういった根本的な問題をやっつけていかない限りは、本来の意義をなすオリンピックが開催される日はまだ来ないかもしれませんね。