元陸上自衛官の五ノ井里奈さんは、同じ自衛隊員からの性被害を告発していました。
そんな五ノ井里奈さんはどこの駐屯地にいたのでしょうか?
また、性被害に対する自衛官からの謝罪があったのにも関わらず、いまだに炎上状態なのはなぜなのでしょうか。
五ノ井里奈さんとは?性被害はどのようなものだった?
五ノ井里奈さんは、元陸上自衛官の女性です。
2022年6月27日に自衛隊を退職しました。
その後、オンライン署名サイト「change.org」やSNS、Youtubeなどの動画サイトも併用して、自衛隊内におけるセクハラ・性被害を告発しました。
性被害の内容は、「訓練中に複数の男性隊員が五ノ井里奈さんを押し倒し、陰部に性器を何度も押し当てるようにして腰を振ってきた」というものでした。
五ノ井里奈さんはこのセクハラ被害に対して、自衛隊内での犯罪捜査を専門とする警務隊に告発、該当の男性隊員は強制わいせつ罪として書類送検となりましたが、結果的に不起訴となってしまいました。
東日本大震災で自衛隊入隊を決心、柔道でオリンピックの夢もセクハラで台無し
五ノ井里奈さんは、2011年3月11日、小学生だったときに東日本大震災に遭遇したのだそう。
女性自衛官との交流の中で、自衛隊体育大学の柔道部に入り、オリンピックに出る夢を追いかけることにしたといいます。
しかし、オリンピックの夢も、自衛隊での活躍という夢も、日常的なセクハラ被害・パワハラ被害によって自衛隊を退職したことで、水の泡となってしまいました。
震災での救助をきっかけに自衛官を志したのに、このような結末は悲しすぎますね…。
五ノ井里奈さんの駐屯地は?
五ノ井里奈さんが所属していた陸上自衛隊の駐屯地は、福島県の郡山駐屯地であったとされています。
五ノ井里奈さん自身のインタビューへの回答では、この郡山駐屯地は「セクハラ・パワハラがひどいから気をつけて」と先輩の女性自衛官から警告されるほど、自衛隊内ではひどい環境だったようです。
セクハラやパワハラが日常的に横行している自衛隊駐屯地というのは恐ろしいですね。
自衛隊内の出来事はなかなか表には出て来ないので、五ノ井里奈さんの苦しい心境にも共感できます。
加害自衛官からの謝罪があったのに炎上が収まらない理由とは?
10月17日、五ノ井里奈さんは性加害を行った4人の男性隊員から個別に、直接謝罪を受けました。
しかし、このような対応となったにも関わらず、現在でも五ノ井里奈さんの一連の騒動に対しては炎上騒動が続いています。
この炎上には、「二次被害」とも呼ぶべき、酷すぎる炎上騒動が起こっているのです。
告発した五ノ井里奈さんへの中傷も
自衛隊内での性加害という、世間的にも大きな問題を告発したことで、五ノ井里奈さんに共感を示す人が多数いる一方、「自衛隊に迷惑をかけるな」「ウソを言うな」「これ以上言ったら殺す」など、過激な誹謗中傷が寄せられました。
また、そればかりではなく、「ブス」や「男みたいな女のくせに」など、容姿に対する誹謗中傷も寄せられたことで、五ノ井里奈さん自身に対する性被害・性加害だけではなく、セクハラ・性加害に対する男性側の認識の歪さを指摘する声も相まって、現在も炎上状態にあるのです。
どのような職場・業種であれ、性加害が起こってよい場面などはありえません。
また、被害を受けた人物の容姿がどうであるかなどをジャッジするのももちろん問題外です。
しかし、現場が「自衛隊」という、日本の国防を担うだけではなく、災害時にいつも崇高な精神を求められる仕事であるがゆえに、このような告発が出てしまったことを「認めたくない」人々がいるのかもしれませんね。